再演!エンジニアのためのコーチング入門
https://coaching.connpass.com/event/143926/
に行ってきたので、そのときのレポート
人と話すことが苦手な人の方が、コーチングは上手くなる/三橋 新さん
コーチとして、可能性を選ぶか、評価を選ぶかで、
その後の方針が変わってくる
「なぜ、人と話すことが苦手な人の方が、コーチングは上手くなるのか?」
コミュニケーションとは、上手に話さないといけないのか?
コーチングの場合はそうではない。
究極をいうと、自分は話さなくてもよい。
相手の言うことを引き出すことに徹する。
逆に、喋りたがりの人は、抑える練習をしなければいけない。
3つの現実レベル
- KPI
- 自分はこう感じるというレベル
- 直感や、なんとなくのレベル
仕事では、上(1の方)の会話をよくするが
コーチングにおいては、抽象度を高めてみたほうが良い。
なぜなら、自分の無意識に触れられるから。
人は、話ながら頭を整理していく部分もある。
なので、質問をしてみて、相手に思考を整理させるようにする
まとめ
- コーチングで一番大事なことは何をどうするか?ではなく
相手のことを信じて可能性を引き出すこと。 - 抽象的な問いかけをして、相手の思考を整理させてあげることが大事。
エンジニアリング組織の1on1におけるコーチングスキルの活かし方/谷内 真裕さん
「在り方」
1. 自己探求と自己管理
2. 向き合い方
「やり方」
3. 場づくり
4. コーチングのスキル
1. 自己探求と自己管理
1on1 をしていると、コーチングしている側も、自分についても考えさせられる場面がある。
そのため、自己探求はとても大事。
- 1on1 の最中に、いろいろと考えてしまう。そうなると、相手の話を聞けなくなってしまう。
- なぜこうなるのか?
- 誰もが、Belief というメガネをかけている
- なぜこうなるのか?
Belief: 考え方や信念のこと
例えば、1on1 している側は、
「私はこの人をコントロールしなければならない」
「私はこの人よりも優れている」
「この人を変えないといけない」
etc…
ということを考えてしまう。
どうすればいいのか?
コーチングの切り口でいうと、自己探求(内なる声に気づく、暗黙的な Belief を探求する)が、大事。
例えば、日頃当たり前だと思っていることは
なぜなのかを考えずに、ショートカットしてしまう。
もう一つ大事なこと
自己管理(自分の内なる声を横におく)
自分のことよりも、相手のことを優先する。
そうすることで、相手の話に耳を傾けることができる。
自己探求(自分の内なる声に気づく) → 自己管理(自分のことを横におく)
の順で進めて行くことで、相手の声に焦点をあてられる。
まとめ
Belief や囚われに気づくことから始める。
2. 向き合い方
1on1 をしていて/うけていて
暗黙的な何かを感じることはありませんか?
例えば
- 本音を言っちゃうと、評価に影響するのではないか?
- 1on1 をする側からすると、この人のレベルはこれくらいかなと思ってしまう。
- 実は 1on1 に恐怖を感じているとか
etc…
それらは、隠していてもバレてしまう。
なので 1on1 をする側は、1on1 によってどうすれば
良い影響を与えられるか考えよう。
良い言葉として
「人はもともと想像力と才知に溢れ、欠けるところのない存在である」
というものがる。
それを意識するようにすると良い。
例えば、その人に好奇心と可能性を持つ。
それが、その人を信じることに繋がる。
順番としては、
- まずは自分を信じる
- 相手を信じる
- 自分の好奇心を育む
- 直感と遊び心を持って問いかける
ということをしていれば、自分も変わるし、相手も変わる。
相手を信じるほど、意外と自分も変わっていきます。
3. 場づくり
1on1 の大半の悩みは、場づくりがされていなくて、困っているはず。
例えば、
- 話したいことありません
- 時間が取れない。
- 変化がない
etc…
こうならないために、1on1 をデザインしましょう。
例えば
- ある程度形式が決まっていたら、思い切って崩してみよう
- ネガティヴ / ポジティブ を話しても、安心してできるようにしよう。
- 相手がとても困っているなら、1on1 を意識せずに、吐き出す時間にしよう
etc…
場づくりは、いつでもその瞬間から
相手と始めることができる。
例えば、1on1 の内容を定義づけしなくても良い。自由にやってもよい。
雑談で終わってもよい。会議室で行わずに、カフェとかでやってもよい。
起こることの全ては、相互理解と信頼関係のきっかけにできる。
順番としては、
- 1on1 の目的を説明する
- ふたりの関係性を構築する
- 相互理解をする。
4. コーチングのスキルについて
- 反映というスキルは、相手の鏡になること
- 言われて気づくもの
- 今日は明るいね、疲れてるね。など
- 言われて気づくもの
スキルは始めから使うのではなく、
相手との関係性が築けてから使う。
その上で、傾聴などを行う。
傾聴のスキルを養うには、やはり練習が必要。
本も大切だが、経験を重ねることが大事。
まとめ
相手にあたえるインパクトがスキルです。(こういうことが言えるからスキル、とかではない。)
遊び心をもって練習してみよう!
エンジニアリングマネージャー育成におけるコーチング~マネージャーにはどんな資質が必要なのか?~/ 安西 剛 さん
例えば、上司が変わると環境がとても変わる。
仕事のやりやすさや、自由度など
そのため、エンジニアリングマネージャーは成長しなければならない。
マネージャーになると、「在り方」が大事になります。
ポイント:オーセンティックであるか?
オーセンティックとは?
日本はまだまだだが、海外では、リーダーシップをとる人はオーセンティックであるべきだと言われている。
オーセンティックとは、
「自分らしさ」を貫いていること。
昨今は、変化が激しすぎて、明確な答えがない。
そのため、「俺がこう言うんだからこうだ、ついてこい!」みたいなリーダーシップでは
人はついてこない。
そのため、自分らしさや、自分の考えをしっかりもつことが大事。
オーセンティックのポイント
- 自己認識力を高める
- 自分と向き合う
- 自分がわかる
- 他者のフィードバックを受け入れる。
- 他者とのギャップを埋める。
- 弱さを認める
- できないこと、わからないこと、弱いことを自分で認めているか?
- 弱みや恥を他人に話す
- できないこと、わからないこと、弱いことを他人に話せているか?
強いリーダであるよりも、オーセンティックであることのほうが勇気が必要である。
べき論、リーダ像の思い込みを外して、探求し続けなくてはならない。
Q & A
Q1. コーチングという名前のイメージが、相手を導くというイメージがあるが、それについてどう思うか?
A1.
三橋さん
そうは思わない。
一緒に探していくものだと思う。
谷内さん
三橋さんと同じ。
その人が本当に望んでいるものを目指して行くのが大事だと思う。
Q2. 自分の弱みをさらけ出すのが大事というのも分かるのだが、弱みを出しすぎても威厳が保てなくなって、人をリードすることが難しくなるのではないか?と思っているが、そういうことありますか?
A2.
安西さん
それは、あります。
弱みをさらけ出すのはタイミングが大事。
初対面の人にさらけ出しても、良く思われない。
ので、関係性が築けてからさらけ出して、より良い関係にしていくのが大事。
あとは、弱みをさらけ出した結果、相手(部下)の方が優れていたら、教えてもらうことができる。
逆に、弱いにも関わらず、強いふりをしてしまったら、それは相手にバレて、一瞬で信頼がなくなってしまう。
それよりも、部下に教わって自分を高めることで、「この人は成長する人なんだ」と、部下にも思ってもらえる。
Q3. コーチングは基本的に相手にフォーカスして進めていくということだったが、何回コーチングしても相手が育ってくれなかったりした場合に、強めの言葉でフィードバックしないといけない場面があると思うが、そういうときに良いやり方はあるか?
A3.
三橋さん
相手ができない、やりたくないと思っていることがあると思うので、
コーチングの際は裏目的を聞くようにしている。
谷内さん
聞くモードに入るのか、フィードバックモードかを切り替える。
例の状況だったら、フィードバックモードに徹する。
事実ベースで伝えて、それに対して、相手がどうしたいのかを聞くモードで聞く。
よくあるが、全部を 1on1 で解決しようとしない。
1on1 をうまく使って解決するようにする。
安西さん
その人の根本的な課題な何なのか?を探る。
きっと、何か自発的な動機が引っかかってそのような状況になっているはず。
それを探るようにする。
Q4. 1on1 の場づくりのところに、「墓場まで持って行く」というのがあったが、それは守れているのか?というところが気になった。というのも、これは誰かに相談したほうがいいというのがあるから。
A4.
谷内さん
たしかに、そういう場面もあるので、
外への出し方も一緒に相談する。
例えば、「○○さんにこのこと相談していい?」という合意をとって進めるようにする。
全てを墓場まで持って行く訳ではない。
Q5. 評価をする側になってしまったのだが、コーチングする際に気をつけることはあるか?
A5.
谷内さん
「この会話は評価に影響しません」と約束をしてみるのはいいと思う。
また、会社の人っぽくないことをしてみるのも良いかもしれない。
例えば、一緒に散歩に行ってみるとか、ランチに行ってみるとか。
上司と部下という関係を意識しないようなことをしてみると良いかもしれない。